建物の縁切り工事

東日本大震災の建屋被害を見ていて、耐震上も考慮しておくべき重要な設計があります。屋外から見ると一体化した建屋に見えても、例えば母屋と渡り廊下のように別々の建屋が繋がっている場合、地震による揺れで建屋同士が相撲を取って、強度の弱い方が壊れてしまうという事象が数多く発生しています。

例えば、下の写真をご覧下さい。



右側が建屋、左側が渡り廊下で、右側の強度が弱かったみたいで、壊れてしまっています。そして真横から見ると、このように隙間が空いて外が見える状態になっています。



この冬も、ここから隙間風が入って来て、堪らなく寒い状態でした。

こういう場合の対応策として、それぞれの建物が別の動きをしてもぶつかり合わないように、ある程度の可動を許容するエキスパンション・ジョイントという接合方法をとります。今回はこの部分に設定し、外から見ると一体化した建屋に見えても、実際には二つの異なる建屋が別の動きが出来る可動代を設けます。



これが工事現場に貼ってある図面です。



ちょうど今、魚津社寺工務店さんが、長松院さんの本堂と仏教会館との間にエキスパンション・ジョイントを設定する工事を完了させましたので、ご参考前に、添付します。屋外から見た実際の完成状態は、こんな感じです。

 

屋根に銅板が、壁にガルバリウム鋼板が設定されている縦一列が、エキスパンション・ジョイントです。外から見ると、一体化した建屋に見えますが、内側から見ると、このように互い違いに壁が施工されています。



現在、複数のリフォーム工事や増築の案件をご依頼頂いてますが、多くの箇所でエキスパンション・ジョイントが必要になりそうです。昨日、南海トラフで複数の地震が同時発生した場合の被害の大きさが報道されていましたので、こういう耐震工事へのニーズも高いものがあるようです。ちょうど今、工事でご一緒させて頂いている魚津社寺工務店さんの知恵も拝借しつつ、考えられる耐震設計を出来る限り織り込んでいきたいと思います。

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