リフォームという仕事の難しさ

アクアスが専門的に行っているのは「住まいの改修工事」ですので、図面通りに進めて行く新築と違って、計画通りに進まない事がしばしば発生します。今回も「2階建ての戸建てで、1階の不陸(凹凸)がほとんどなかったにも関わらず、2階の床で大きな不陸が出ている」という問題が発覚しました。

これまでの工事では「家の構造上、1階部分の不陸がそのまま2階にも影響して来るので、1階の不陸を直せば、2階部分も水平になる」という考えで工事を進めて来て、問題も発生していませんでした。しかし今回の問題案件では「大震災の時、1階と2階とで異なる動きをしてしまった」という事態が引き起こした問題だと考えられます。

という事で、再度調査を行わせて頂きました。

 

その結果判明した事は、簡単にまとめると、以下の通りです。

①2階建てにも関わらず、通し柱が設定されていない。

②梁と桁が、通常の建築で行われている組み方になっていない。

③梁と桁が1本の通しとなっておらず、継ぎ足されている。

④そうなった理由として、1階と2階の間取りが異なっている事が原因となっている。

(2階の廊下が曲がっているため、その事が更に構造に悪影響している)

以上の事が言えると結論付けられました。

では「この建物を建てた大工さんが悪かったのか?」と言われれば、必ずしも、そうとは言えないと思います。昨年の3月11日までは「福島には歴史的に大きな地震が来ていないし、福島は岩代(いわしろ)の国と言われていて固い岩盤の上にある土地柄なので、例え大地震が発生しても、大きな揺れになって被害が出るような事はない」と言われていたので、地震の事は考えず「あまりガッチリした造りではないが、これでも大丈夫だろう」という考えで設計されていたものと考えられます。これについては、地震が来てしまってから言っても仕方のない事で、皆がそういう意識だったので、致し方ないと考えざるを得ません。



そして、四代目源右エ門さん・水野さん・小窪貴志を中心とした検討チームにて、施主様のご意向も確認した上で、以下のような補強案を作成致しました。

 



簡単に申しますと「1階の天井と2階の床の間に鉄骨(H鋼)を入れて既存の構造体に固定させ、補強を図る」というものです。1階から通し柱を入れたり、耐力壁を作るという案もあったのですが「1階の間取りや開口は変えずに使用したい」という施主様のご意向により、この案で決まりました。

リフォームで満足頂くには、こういった問題を確実に解決し、その上で要求仕様を実現しないといけないので、大変難しい仕事ではあるのですが、そこまでやらないと満足して頂けないという性質の仕事でもあります。今は、源右エ門さんや魚津社寺工務店さんという、古い建築物を直す事を専門的に行って来た方々が一緒に取り組んで下さってますので、私達が実力を身に付けるチャンスでもあります。

こういった検討は手間暇の掛かる事ではありますが、良き学びとなる事を再確認し、前向きに取り組ませて頂きたいと思います。

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