専門的技能

先日、トイレリフォームの工事をさせて頂いた際に「震災による被害で建屋が傾いてしまったので、大工さんに直してもらったんだけど、まだ傾いてる気がするので調査してみて頂けませんか?」というご依頼を頂きました。という事で今日、五代目源右エ門さんと一緒に調査に行って参りました。

私から源右エ門さんには、どこがおかしいそうだといった話しは何もしていなかったのですが、五代目源右エ門さんは玄関前でいきなり立ち止まって、外壁や柱など、色々と細かい調査を始められました。専門家は、ちょっと見ただけで、異常にすぐ気付くみたいですね。

そして外回りで一通りの確認を終えた後、内部から水平・垂直を見るレーザーを当てて見たところ、こんな感じになっていました。



薄くて見えづらいかも知れませんが、扉部分に当てている赤い線が水平と垂直ですから、まだ傾いてますね。

工事した時の事をお伺いしましたら、水平・垂直等を取る墨出しはしていなかったようで、大工さんが大体の感覚で建て起こしをしていたようなんです。

そしてちょうどこの直後、傾き直しのご依頼を受けた教会の現場で、上記のお話しを象徴するような出来事に出くわしました。教会の修繕を行って来られた大工さんが同席されていて、源右エ門さんから傾きの現状調査と直し方の説明をした後「自分達では、そんな事まで考え付かない。曳家さんと一緒に仕事をした事もないし、そもそも曳屋さんと言えば『値段が高い』という印象があったけど、源右エ門さんの見積りなら『やってみよう』という気になるし、身近な存在に思えて来た」と大工さんが率直なご意見を仰って下さいました。建築に携わるプロである大工さんが、このように仰って頂けるのは稀なのですが、これは素直な本音だと思います。

「家の事は、大工さんが全てわかる」とお考えの方が多く、大工さん自身でもその様に考えられている方が多いのですが、建築の人は躯体の専門家であって、一から作る時のプロなんです。一度傾いた建物の修復であったり、地盤が関わって来る問題になると、話しは別です。震災によって傾いた家の修復には、曳家さんは欠かせないと、改めて感じました。

被災地には、まだ家の傾きで困っている人が多いと思いますので、アクアスで独占する事なく、これからは大工さんへ積極的に源右エ門さんを紹介し、一人でも多くの方の役に立って頂きたいと思います。

まだ、震災復旧は道半ばですから。

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